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セーラ知事=為替政策を痛烈批判=「詭弁を弄し大衆を欺く」=海外投資家優遇は不健全

2007年7月12日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】セーラサンパウロ州知事はサンパウロ市で十日、「為替相場は錯乱状態に陥っている」として、政府の経済および為替政策を痛烈に批判した。サンパウロ市アニェンビー展市場で十日に開幕した国際製靴関連フェアで演説したもので、為替が原因で製靴業界が不況のどん底に陥ったのを視野に入れて、政府の政策批判に終始した。
 同知事はその中で、外貨に対しレアル高で推移していることで、エコノミストらは経済成長の証しだと説明しているが、とんでもない「たわごと」だとし、詭弁を弄して大衆を偽っているにすぎないと決めつけた。
 その上で為替相場は経済政策により作為的に操作されたもので、精神分裂状態のようなものだと強調した。その一例として、海外投資家の公債投資に所得税を免除する恩典措置を実行したが、ドル不足に喘いでいる国ならいざ知らず、ブラジルのようにドルが溢れている国には不健全な措置だとした。
 さらに続けて、国民は政府の対外政策欠陥の犠牲になっているとして、数多い国際経常収支の黒字国の中で、レアル高はそれらの国々の倍以上の指数になっていると指摘した。そのためほかのラ米諸国や東南アジア諸国が外交政策を利用して成長しているのに対し、ブラジルは取り残されているとの考えを強調した。
 会場にはミゲル・ジョルジェ産業開発相も列席したが、同知事はそれを踏まえ、同相に責任はなく、政府の経済および金融スタッフの責任だと指摘した。同相はセーラ知事の前に演説し、いわゆる為替の犠牲となった企業に見返り支援を続けると表明した。同知事の演説に対しては、野党の州知事発言としてはもっともな所があるが、多少オーバーな面もあるとコメントした。
 セーラ州知事の発言に、プラナルト宮および中銀筋は何ら反論せず、沈黙を守っている。