2007年7月13日付け
【ピラール・ド・スール発】当地文協主催の家族慰安運動会が八日、協会運動場で行われた。「子供の教育充実」を前面に出した特色ある催しである。市長やソロカバなど近隣の町からも文協役員が来賓として訪れた。また、この町に住む会員だけでなく、サンパウロや遠くの町からもその家族、親戚などがたくさんかけつけ、運動会を楽しむと同時に、家族や友人との久しぶりの再会を喜び合っていた。
この日も連日続いている夏のような暑さ。雲一つない青空の下、にぎやかに競技が繰り広げられた。文協はこれからの日系社会を支える子供たちに対する協力姿勢が高く、運動会の種目も子供対象のものが多い。
この町の運動会は競技を楽しみ、賞品をもらうだけの運動会ではない。午前最後のプログラムでは太鼓の発表が行われた。日本文化として定着している太鼓部には、文協だけでなく町も大きな期待を寄せている。太鼓部は、児童のみで指導者もいないが、今年新入部員が多数入り、また着実に腕を上げているとのこと。練習は日本語学校の授業後や土曜日に行っている。
この日、日頃の練習の成果を披露。力強い太鼓の音が晴天の空に響き渡り、この時ばかりは賑やかだった運動場全体が静まり、皆がその迫力ある演奏・動きに魅入っていた。
午後の最初のプログラムは、婦人会・母の会・日本語学校教師合同の踊り。婦人会や母の会はこの日のために週に二回集まり特訓を行ってきており、この日は総勢四十人以上が参加。女性会員の健在ぶりを見せつけた。
続いて日本語学校の踊り。今年は幼稚園生から上級生・先生を含め総勢六十六名でYOSAKOIソーランを披露した。昨年までも文協や町のイベントなどで披露し、太鼓に並ぶ人気を誇っているが、今年は曲も振りも一新した。手にした鳴子の力強い音、躍動感溢れる踊りが運動場で繰り広げられ、終了後大きな拍手が起こった。
また、日本語学校では運動会作品コンクール(毛筆・硬筆・作文・絵)を行っており、その結果発表もあった。コンクールの全生徒の作品は会館の中に展示されており、父兄を始め多くの人が足を止め、作品を鑑賞していた。他にも、七夕の飾りや木材や枝などで作った巨大な動物も飾られ、日本語学校の作品がぎっしり詰まっており、日本語学校の活発的な活動ぶりがうかがえた。
午後四時半過ぎ、最後四十番目の競技、地区対抗リレーを終えると、皆、心地よい体の疲れ、獲得したたくさんの賞品、そしてこの日一日の楽しい思い出を持ち帰っていった。