2007年7月13日付け
あるブラジル関係のサイトで、「葡和辞典」を編纂した大武和三郎氏について書かれたものに、「一八九七年にブラジル大使館に勤務するため再びブラジルに渡っている」とあった。
大武が勤務したのは、東京のブラジル公使館。帰国後、一度もブラジルを訪れていないのだから、全くの事実誤認だ。
この記事がサンパウロ人文科学研究所の森田左京氏によれば―、となっていたからたまらない。
十年来、大武の歴史を残そうと地道な検証作業を行なってきた森田氏が訂正を求めるメールを出したのも当然のこと。
サイト責任者から、「記者に確認するまで回答をお待ちください」と返信があったが、以後、森田氏には何の連絡もなく、記事は修正された。
誠意も敬意もあったものではない。歴史を文字にする責任は重い。百周年を前に自戒を込めて、そう強く思った。(剛)