2007年7月17日付け
昨年六月十九日に発足したブラジル南部二州で初めての連合会、サンタカタリーナ日系連合協会(FANSC)の第四回会合が七日、パラナ州クリチーバ市内のホテルで行われ、代表八人が来年の百周年に関する様々な議論を行った。各地から多彩な計画がもちよられ、少人数ながら熱気のこもった会議となった。
連合協会の会長は続正剛氏(元保健大臣)。加盟団体はセルソ・ラモス日伯文化協会、クリチバーノス文化体育協会、ジョインビレ日伯文化連盟、サンジョアキン文化体育協会、ニッポ・カタリネンセ協会(州都)、カッサドール日伯文化体育協会の六団体。
最初にロゴマークを制作したミヤモト・サブロウさんに記念プレートを渡した。
続いて、六月にブラジリアの外務省で行われた百周年国内組織委員会の公式ランサメントに出席した続会長から「パラナなどに比べ、まだ存在感が薄い。もっとアピールしなくては。そのために来年の行事カレンダーを早急にまとめて提出する必要がある」との感想をのべた。ラモスの山本和憲会長からは「州政府への働きかけも重要」との意見も出された。
サンバや駅伝、記念公園も
各団体が独自に進めている百周年の事業が報告され、ニッポ・カタリネンセの新里エリジオ善和会長から来年二月の同州都のカーニバルで、サンバ学校Copa Lordが日本移民百周年をテーマにパレードすることが発表された。日本の歴史から、一八〇三年にロシア軍艦に乗った四人の宮城県人が、フロリアノーポリス島に停泊して日本人初の足跡を残したこと、最先端技術までを表現するという。続会長は「州内の日系団体は積極的にパレード参加を」と呼びかけた。
また続会長の発案により大竹ルイ氏に設計を依頼していた州都への百周年記念公園建設計画が、地元住民の意向などで暗礁に乗り上げており、その基本設計をそのまま活かせるような州内の別の候補地を探したい旨なども報告された。
その一方、州都中心部にあるセントロ・インテグラード前にある土地を日本庭園にし、二百四年前の日本人初通過を記念したモニュメントを設置して来年イナウグラソンする計画があることも公表された。
加えて州都で来年六月十五日、百周年を記念して、五人が交代で二十キロを走る百キロ駅伝大会も予定されている。各日系団体の代表はもちろん、一般スポーツ団体、国外の団体にも呼びかけて盛大な国際大会にしたい、との意向だ。
サンジョアキンを中心に、和太鼓をブラジル人に広めるプロジェクトが進められており、連合協会の事業として日本政府に協力申請することが申し合わされた。同地代表は「路上生活をする子供たちを救済すると同時に、日本文化を広めたい」と説明し、賛同を得た。
また、広い州内でバラバラにならないよう来年は日系イベントを集約させることも申し合わされた。フロリアノーポリス、クリチバーノス、サンジョアキン、ジョインビレの四カ所に日系パワーを集中させる。
新里州都代表も、「各地の日系団体は地元の市議会などに、移民の日特別顕彰式典を働きかけるなど、ブラジル社会からオメナージェンしてもらうような申し出をどんどんしましょう」と呼びかけた。
少数ながらも、独自色も打ち出した連合協会の活動を進めている。
フロリアノーポリス=百周年記念でオペラ上演=来年、日本人歌手を募集
創立三十四年を迎える伝統ある州都フロリアノーポリスの音楽家協会(Pro-Musica de Florianopolis)は、来年十月から百周年を記念して、日本人が主人公のイタリア歌劇『蝶々夫人(マダム・バタフライ)』を公演することを四月に決めた、とニッポ・カタリネンセ協会の新里エリジオ会長が発表した。
これは新里会長からの「百周年を記念してなにかをやってほしい」という働きかけが奏効したもの。
作者はプッチーニ。長崎を舞台に、没落した藩士の令嬢「蝶々さん」とアメリカ海軍士官との恋愛の悲劇を描いた二幕もの。第二幕の「ある晴れた日に」というソプラノ詠唱は非常に有名。インターネット辞典ウィキペディアによれば、ヴェルディの『椿姫』、ビゼーの『カルメン』と合わせて、「蝶々夫人」を世界三大オペラに数える説もあるという。
新里会長によれば、「音楽家協会は、日本女性のオペラ歌手に初演の主役を演じて欲しいと考えている。開幕の一週間でも二週間でもいい」という。開幕後はブラジルの歌手がそれを引き継ぐ。ブラジル滞在中の宿泊費は同協会が負担するが、渡航費などは自己負担になるという。
興味がある人はニッポ・カタリネンセ協会Eメール(anc@nipocatarinense.org.br)まで問い合わせ連絡を。