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海外日系人・パンアメリカン合同大会が開幕=ブラジル・サンパウロ市で世界15カ国から代表者集う=麻生外務大臣「日系人は日本の財産」

2007年7月20日付け

 第四十八回海外日系人大会および第十四回パンアメリカン日系人大会(COPANI)の合同大会が十八日、ブラジル・サンパウロ市のホテル・ブルーツリー・コンベンションで開幕した。初めてとなる今回の合同大会には、ブラジル、南北アメリカ各国、日本など世界十五カ国から約五百人が参加。二十一日までの四日間、各国参加者による代表者会議、分科会を通じて、世界の日系社会の現状と課題、日本との関係強化まで幅広く意見を交わす。今大会のテーマは「海外日系社会の原点に立ち、その発展と役割を求めて」。世代交代とともに変容しつつある各国日系社会が、将来に向けた新たな一歩を踏み出す機会となるか、意義ある議論が期待される。
 今回の合同大会は、海外日系人協会(塚田千裕理事長)、パンアメリカン日系人協会(APN、笠松フェリクス会長)が主催。来年に控えたブラジル日本移民百周年のプレ・イベントとして開催が決まった。
 サンパウロで汎米大会が開かれるのは一九八五年以来二度目で、海外日系人大会は初めての開催。日本国外での同大会開催は六八年にハワイ官約移民百周年を記念して同国で開かれて以来、二度目となる。
 初日は、午前中に海外日系人協会の運営会議、午後にAPNの総会をそれぞれ開催。同日午後六時半から開会式が行われた。
 各国の参加者、上原幸啓ブラジル日本移民百周年協会理事長らブラジル日系団体代表など約五百人が出席。島内憲駐ブラジル大使、西林万寿夫在サンパウロ総領事など日本政府関係者、伯日国会議員連盟を代表して副会長の飯星ワルテル連邦下議、連邦高等裁の上田雅三判事など伯政府関係者も多数訪れた。
 開会式冒頭、先亡者および、十七日にコンゴーニャス空港で起きたTAM機事故の犠牲者に哀悼の意を示し一分間の黙祷。日ブラジル歌を斉唱した。「君が代」斉唱では、滞伯駐の二期会歌手、森敬恵、吉川健一、長谷川忍さんの三人が舞台に上がり、歌った。
 実行委員長の矢野敬崇・汎米ブラジル日系人協会長は、参加者や関係者に謝意を表すとともに、「これからの四日間、将来の交流強化に向けて意見を交わすとともに、お互いの友情を深めてほしい」とあいさつ。
 笠松APN会長は、百周年を来年に控えたブラジルでの合同大会開催を「歴史的なイベント」と位置付け、「三百万といわれる世界の日系人は、正直、規律、責任感、勤勉などの美徳をもって、それぞれの国で重要な役割を果たしている」と強調。「世代交代が進む中、今大会が未来に向けたアイデア、意見を交換する場になることを願う」と述べた。
 塚田理事長も、世界各国の日系人を「日本との懸け橋」と位置付け、次世代への文化継承に「協会としても微力ながら介添え役を果たすよう、今後も努力していきたい」と語った。
 安倍晋三首相、麻生太郎外相からもメッセージが寄せられ、それぞれ島内大使、西林総領事が代読した。
 安倍首相は、苦闘ののち各国地域社会で信頼を得た日系人を「日本にとって名誉に思う」、麻生外相は「海外日系人は日本の国際化の先駆者であり、財産」とそれぞれ賞賛。大会の成功に期待をあらわした。
 来賓あいさつの後は、森さんらが再び舞台に上がり、「花」「椰子の実」などの日本の歌を熱唱。ペルー婦人協会による合唱も披露された。乾杯に代わり、メキシコの春日カルロスAPN名誉会長が壇上で万歳三唱。食事に移り、午後十時ごろまで懇談した。