2007年7月21日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】サンパウロ市コンゴーニャス空港で発生したTAM航空機の大惨事を受けて、政府は同空港での発着本数を規制することを決めた。目下解明中の事故の原因はさておき、同空港での発着便が密集し過ぎているとの声が高まっているのを受けて、これまでの一時間当り四四便の発着を最高三六便とする。
残りはグアルーリョス市のクンビッカ空港およびカンピーナス市のヴィラ・コッポス空港に変更される。決定は民間航空審議会の二十日の会議による通達で正式の運びとなる。
今回の決定については、国内の一連の航空混乱が発生した時点から内外の圧力が政府にかけられたにもかかわらず、民間航空局が何ら対応を施さなかったことで、批判が高まっていた。それが一八〇度転換したことで同局の失政が表面に出たことになり、ルーラ大統領の黒星と受け止められている。大統領は今回の規制で航空会社からの突き上げを受けて難交渉を強いられることが予想され、新たな局面を迎えることになる。
ルーラ大統領は十八日、今回の惨事は単なる事故だとし、一連の航空混乱とは関連しないとの態度を表明したが、政府の対応に対する批判が高まる中で、収拾に向けて動き出した。
プラナルト宮では十九日、航空関係者を集めて終日会議を開いた。今回の発着規制に加え、個人所有やタクシーなどの小型機および州間の乗り継ぎ便の使用を全面禁止する意向を見せた。ミナス・ジェライス州でベロ・オリゾンテ市都心のパンプーリャ空港から、四二キロ離れた郊外のコンフンス空港で実行して功を奏した例を挙げ、サンパウロ市にも同様の措置を適用したいとの考えを示した。
いっぽうで建設業のコンソーシアムはサンパウロ市内に三番目となる新空港の建設計画を打ち出している。それによると三年間で完工し、予算は五〇億レアル以下になると試算している。セーラサンパウロ州知事も前向きで、都心から三五キロ以内に用地確保を目指しているという。