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伯製ロケットを打ち上げ=実験モジュールは回収できず

2007年7月21日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】予定より八日遅れでブラジル製ロケットVSB―30が十九日午前十二時十三分、マラニョン州のアルカンタラ発射センター(CLA)から打ち上げられた。
 ロケットは高度二四二キロメートルまで上昇し、十九分以内に降下。六分十二秒間の無重力状態の中、九つの実験が行われ、ラジオ電波で結果が送信された。しかし、実験が行われたモジュールは大西洋の海上に着水後、行方不明となり回収できなかった。
 ブラジル宇宙局(AEB)によると、実験モジュールが回収されなくても実験は「一部成功」と評価できるという。降下の際にパラシュートが開かず、発信された電波が途絶えがちだったことで、着水地点の確認と回収作業が困難になった。
 実験はバイオテクノロジー、工学、物理学、ナノテクノロジーなど九つの分野からなり、一部はデータの電波送信に成功したが、微重力下のDNAの活動を調べる実験については、モジュールを回収しなければ成果を確認できない。
 長さ一二・七メートル、重さ二六〇〇キログラムのVSB―30は、ドイツ宇宙局(DLR)と共同開発され、建設費は九〇万ユーロ。うち五〇万ユーロは実験モジュールが占める。同モジュールは回収後にも再利用できる唯一の部分だった。