2007年7月21日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】「近づいたら被害者が車の窓を閉めたので、腹が立って撃ち殺した」。サンパウロ市モルンビー区で六月二十六日夜、交差点で信号待ちをしていた車が襲われ、運転席と助手席にそれぞれ乗っていた夫婦が殺害された事件で、逮捕された十五歳の犯人が吐いた言葉だ。犯人の極悪非道かつ後悔のかけらも見せない平然とした態度に、警察の殺人捜査課のモサ連中も唖然としたという。
事件は同区ジオバンニ・グロンシ大通りの交差点で発生、後部座席に犠牲者夫婦の七歳の男の子が同乗しており、一部始終を目撃した。一瞬にして両親を失ったことで全国に報道されて同情を買った。少年によると犯人は三人のグループだったという。
殺人捜査課は少年の協力を得て犯人の一人のモンタージュ写真を作成配布した。これにより十二日匿名電話で住居がタボン・ダ・セーラだと判明、急行して共犯の十六歳と十四歳の少年らを逮捕した。さらに主犯で殺害行犯が十五歳の少年であることを突き止めた。
主犯は共犯が逮捕されたことで、十三日午後四時、弁護士に付き添われて捜査課に自主してきた。少年らは罪を認め、動機を聞かれたため主犯の少年の冒頭の発言となった。共犯二人の証言によると、主犯の少年は妻を殺害した後、ホンダ・フィット車を発進させようとした夫を殺害したという。
事件現場は乗用車襲撃が相次いでおり、警察では背後に故買組織が解体して部品を売りさばくグループが介在していた可能性があると見て、捜査を開始した。また逮捕された三人も余罪があるとして追及している。
被害者らは出身地のペルナンブッコ州レシフェ市に埋葬されたが、七歳の男の子は葬儀場で初めて両親の死を知らされた。今は同市で叔父に引き取られて生活している。