2007年7月21日付け
死者10人、避難住民が1万人と新潟中越沖地震の被害は大きい。しかも、04年の中越地震でも多くの犠牲者を出し崖崩れや泥水で崩壊した村落もあり列島の人々が愕然とした。その同じ地域に再び魔の牙が襲い掛かっての狼藉である。山をも崩すあの災禍では、東京から派遣されたス―パ―レスキュ―隊が、車ごと土砂に埋められた幼児を救い話題にも▼今度も陸自が活躍し、仮風呂が歓迎され海自の護衛艦「あまぎり」「みねゆき」が、赤飯や五目飯などの救援物資を運び住民らに大喜びされた。なんとも明るくいい話ではないか。神戸淡路島震災での自衛隊忌避とは違い、今では自衛隊の災害救助がスム―スになり、首相の現地視察も空自ヘリである▼全国からの支援も続き罹災者は大助かりなのだが、地震が原子力発電所を直撃したのは、残念としか申しようがない。柏崎原発は、地震を感知し停止したのはいいが、建設するときの予測を超える「揺れ」であり、耐震性の問題が浮上したのである。これと同じ例は女川原発や志賀原発でも起きている。マスコミは、この欠陥を批判するけれども、この原発を建設する際の設計を今の視点で云々するのはおかしいのではないか▼無論、原発は直下型地震にも耐えられるものにするべきだし、そのために必要な対策を急ぐべきは論をまたない。柏崎市の会田洋市長が東電の勝俣恒久社長に「使用停止命令」を発したのも、現在の状態では危険性があるので仕方があるまい。この課題は東京電力だけではなく関西や東北などすべての電力会社に共通するものなのであり抜本的な解決を早急に進めたい。 (遯)