2007年7月24日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】空港整備公団(Infraero)は二十二日、コンゴーニャス空港の主要滑走路で二十四日午前六時から離着陸を再開すると発表した。同公団によれば、改修直後で未完成の滑走路が惨事に至った原因の一つと見られるため、離着陸の安全性が確認されるまで雨天の日は滑走路を閉鎖するという。同滑走路のコンクリートが完全に乾燥する八月、グルービングという排水溝と滑り止めの工事を行う予定である。TAM航空が、雨天の日は主要滑走路での離着陸を中止すると声明を発表した。
コンゴーニャス空港は、事故原因が解明されないまま、状況判断次第で同滑走路の離着陸を再開すると同公団のペレイラ総裁が発表した。空軍と連邦警察による滑走路の鑑定が出て、使用が正式に許可されるまでの時間は皆目分からない。排水溝と滑り止めを備えた補助滑走路は、降雨量が三ミリに達するまでは平常通り使用される。
主要滑走路は、事故前は雨量次第で滑走路を使用したが、これから雨天時は無条件で閉鎖する。霧雨や小雨でも、主要滑走路は使わない。濃霧の時は、主要滑走路にしか濃霧用設備(ILS)がないので問題だ。技術研究所(IPT)は事故の四日前、主要滑走路の摩擦度検査を行い、未使用または閉鎖を進言していた。
連邦警察は滑走路の状態を調べるため一五個のコンクリート・ブロックを切断した。各ブロックは幅二〇センチ平方、高さ四〇センチ。検査結果が出るのは、一カ月以内という。
他社のGOLやVarigは、まだ主要滑走路の使用是非について思案中。0ceanAirは、パイロットの判断に委ねる。ABRAは、三十日に経営陣が決めるまで主要滑走路で着陸しない。滑走路の使用可否は最終的にInfraeroの責任だ。
フランス製のエアーバス三二〇型の操縦マニュアルは、逆噴射装置の不具合について、説明不十分とか内容があいまい、実体験のない者が作成したと非難が集中した。同型機は、世界中で大小三〇件同様の事故を起した欠陥機だと専門家が指摘。
整備の不備を操縦で補充できるとしても具体的な説明がなく、パイロットの独自判断で理解するので誤解を招くと苦言を呈した。着陸のとき逆噴射が正常に機能しなかったり、タイヤが出なかったりするため、胴体着陸を余儀なくされる場合の操縦法が、現実には不可能だという。
サンパウロ州保安局の犠牲者リストに含まれていないが、行方不明のタクシー運転手チアゴ・シウヴァさん(22)も惨事の犠牲者としてTAM航空が発表した。同運転手は事件当時、ガソリン・スタンドに停車していた。これで犠牲者は乗客乗員の一八七人と地上にいた犠牲者十一人を含め、合計一九八人となった。
カサビサンパウロ市長は、TAM航空の物流センター跡地に惨事犠牲者の慰霊碑を建て、公園とすることを提案した。コンゴーニャス空港の過密発着は長い間、関係者が憂慮し、放任されていたと同市長が述べた。ルーラ大統領発言の発着数軽減は、一時しのぎであって解決ではないと苦言。果たして今回の惨事を機会に、政府が目を覚ますのか。