2007年7月26日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】ネウソン・ジョビン最高裁前長官(ブラジル民主運動党=PMDB)は二十四日、ルーラ大統領の要請でピーレス前国防相(労働者党=PT)の後任として国防相就任を承諾した。公式発表は二十五日に行われる。これまでに大統領から再々就任を打診されたが、空港整備公団(Infraero)と民間航空庁(Anac)の構造改革で支障とならないよう断っていた。これで国防相は、PT政権になってヴィエガス元国防相、アレンカール元国防相、ピーレス前国防相に続いて四人目の交代となる。
航空管制トラブルが十カ月にわたるものの解決の目処が立たないところへ、二〇〇人の犠牲者を出したTAM航空機の惨事が追い討ちをかけた。内憂外患のピーレス前国防相には、疲れが見えてきたようだ。
大統領は三月、前長官に国防相就任を打診。さらに惨事後の十七日、再度就任を要請した。ジョビン前長官は就任承諾の前、空港整備公団と民間航空庁の構造改革で大統領の言質を求めた。両政府機関は、二〇〇六年十月に起きたGOL航空ボーイング機墜落事故以来、航空事情の責任者であると考えられている。
前長官はカルドーゾ前政権で法相を務め、当面の問題に深い洞察力があることで評価された。大統領府は、航空問題にも往年の辣腕を振るうことを期待している。しかし、前長官の側近は、問題の火中へ飛び込み、当事者となった場合の対応力に疑問を持つ。
ルーラ大統領は、二十日に惨事防止のため公布した暫定令を活かす実力のある後任選びを急いでいる。後任の就任と同時に、コンゴーニャス空港とクンビッカ空港以外の新サンパウロ空港の予定地を急きょ決める意向だ。暫定令は暫定措置であるので、新空港を経済活性化計画(PAC)に盛り込み、ロウセフ官房長官に予算を確保するよう大統領が指示した。
新国防相候補には、ベルナルド予算管理相やアジェ予算管理庁長官の名も上がっていた。ジョビン前長官の就任で、ピーレス前国防相退陣の花道つくりが政府の課題となった。
政府の構想では、民間航空委員会(CONAC)が航空トラブルの総責任を負うことを暫定令に盛り込む考えらしい。CONACを法務省の配下に置くか、独立させるかは検討中。CONACは現在、閣僚六人と空軍司令官によって構成されるが、政府は増員する予定である。
空港整備公団総裁の後任にカルドーゾ政権で閣僚を務めたベゼーラ元上議が、浮上している。同公団の前総裁や前国防相は、軍人であり信任職から外されることで、国防予算を減額されたり、外国の国賓歓迎式典からも退けられる。
任から外されたヴィエガ初代前国防相は、空軍装備で継子扱いされ、ハイチ派遣軍で人員削減などがあり、軍部内で恥をかいた。次代のアレンカール前国防相は、国防省を空にしてヴァリグ航空救済で奔走したが、何もできなかった。そして軍人の給料調整と装備強化では、無力をさらけだし、ミソをつけた。