2007年7月26日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】アメリカの住宅産業が不況に陥っていることの経済全体への波及が予想され、先行不安が高まったのが原因で、二十四日の世界株式市場は暴落の気配を見せた。
サンパウロ証券取引所の株価指数は前日比三・八六%安となり、ニューヨークのダウ平均株価は一・六二%安、ナスダック店頭株価は一・八九%安、ヨーロッパではロンドン株価が一・九〇%安、フランクフルトでは一・七三%安となった。
為替相場にも影響を及ぼし、レアルは一%下げて一・八六一レアルの終値をつけた。ユーロは対ドルで過去最高となる一・三八五ドルとなった。ブラジルのカントリー・リスクは五・三三%(九ポイント)上げて一七八ポイントの高率となった。
株価下落の引き金となったのがアメリカ最大の住宅融資会社カウントリー・ワイド・ファイナンシャルの業績不振で、二十四日に発表された中間収支報告によると、第2・四半期の実績収益が昨年同時期対比で三三%減少した。さらに抵当をもとに融資したのが不良債権としてこげつくのが懸念材料だと表明したことにある。これにより年内の収益は予想以下に落ち込むとした上で、アメリカの住宅産業は二〇〇九年まで不況が続くとの見方を示した。
これに加えて、ウォール・ストリート紙の報道が不安をあおりたてた。同紙によると、ウォール・ストリートの金融界のシティグループ、リューマン・ブラザーズ、メリルリンチが予定していた市場投入資金三一億ドルの実施を先送りすることを決定したという。
これに対し、世界の金融アナリストらは一時的な現象だと見る向きが多い。これまで株価は異常なまでに高騰しており、晴天が長く続くと反動で雷をともなった暴風雨に見舞われるようなものだとの見方をしている。
サンパウロで関係者らは、原油の世界価格の下落が要素となっていると指摘している。九月の先物価格はニューヨークで一・七八%、ロンドンで二・三二%の下落となった。これによりペトロブラスの優先株は四・八九%安、普通株は四・二三%安を見せた。これが平均株価の下落の要因となった。
二十四日の下落は今年に入り三度目だった。最初は二月二十七日の上海株の暴落によるもので、六・六三%安となり、二番目は三月十三日のアメリカの住宅産業不振に起因し、三・三九%安となった。今回の下落を入れても、サンパウロでは今年累計で二五・四六%の上昇を記録している。