2007年7月28日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】アメリカでの住宅産業の不況が引金となって二十四日に世界の株価が下落したのに続き、それがリセッションに発展するという懸念が強まったことを受けて、二十六日の世界株式市場では売り注文が殺到し、株価が暴落した。
これにより開発途上国のリスクが上昇したことで海外投資家が投資活動を停止したり、資金を引き上げる措置(手仕舞い)を講じたりしたため、世界的にドル高傾向になり、金融市場に混乱を招いた。
サンパウロ証券取引所(BOVESPA)では株価指数が五万三八九三ポイントと、前日比三・七六%安となった。二十四日に記録した三・八六%に次ぎ、今年三番目の下落率を記録した。
為替相場は三・二七%のドル高で一ドル一・九二八レアルとなり、去年五月以来、最高のレアル安を記録した。カントリーリスクは一気に二一%(四三ポイント)上げて二二一ポイントとなった。二十四日は五・三%(九ポイント)上げの一七八ポイントとなったことから、今回は大幅変動となった。途上国のリスクは一三%上昇し、平均で二二三ポイントとなったため、これまで低率だったブラジルも今回で同レベルに肩を並べる破目になった。
世界の主要市場での下落幅は、ダウ平均株価が二・二六%、ニューヨークのナスダック株価指数が一・八四%、アルゼンチンが三・九九%、メキシコが三・五六%、ロンドンは二〇〇三年三月以来となる三・一五%、フランクフルトが二・三九%となった。
世界の金融アナリストらは一時的な現象だとして事態を深刻にとらえていない。ブラジルでも同様の見方が強く、マンテガ財務相は記者会見で、リセッションはあり得ないとの考えを強調、株価暴落は単なる騒乱に過ぎないとの見方を示した。その上でたとえ金融混乱が生じてもブラジルはそれに耐える体力を培っているとの態度を示した。
その一つが為替のフローテング(変動)相場制度で、外貨流出の歯止めになる。さらに国際経常収支の黒字と一五五〇億ドル台に上る外貨準備が後押しとなり、国際市場の流れに押し流されることはないとの立場を強調した。