2007年7月28日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】セーラサンパウロ州知事は、コンゴーニャス空港の混雑緩和を目的とした新空港建設は「現実逃避」であると述べた。「現実逃避は恐ろしい。ブラジルが患う病の一つだ。問題が発生すると、逃避か万能薬で解決しようとする」。
ルーラ大統領に送った文書で同知事は、サンパウロ国際空港(クンビッカ空港)に三本目の滑走路と新ターミナルビル、カンピーナス市のヴィラコポス空港に二本目の滑走路と新ターミナルビルを建設するための資金援助を要請した。
昨年、コンゴーニャス空港の利用者数は一八五〇万人で、一二〇〇万人の運営能力を六五〇万人超過した。しかし、サンパウロ国際空港(運営能力一七〇〇万人)は一二〇万人、ヴィラコポス空港(同二〇〇万人)は一二〇万人、そしてサンジョゼ・ドス・カンポス市のプロフェソール・ウルバノ・エルネスト・スタンフ空港(同九万人)は六万人と、合わせて二四六万人の余力がある。さらに二空港の滑走路とターミナルビルを増設すれば余力は一〇〇〇万人に達し、超過分を十分カバーできる。
建設会社の試算によると、新空港建設には三〇億レアルかかるが、サンパウロ国際空港新ターミナルビルの建設費は五億レアルに収まるという。また、新空港はサンパウロ市近郊での用地確保が困難で、開港が十年後に遅れる可能性がある。
サンパウロ州政府は、サンパウロ市中心部ルース駅―サンパウロ国際空港間の高速鉄道「空港エクスプレス」の建設費として、五億八〇〇〇万レアルを連邦政府に要求している。また、サンパウロ市のバラフンダ駅からジュンジアイ空港を経由してヴィラコポス空港までを約五〇分で結ぶ「バンデイランテス・エクスプレス」の建設計画について、セーラ知事は来週に実施予定の大統領との会合で連邦政府の参加を呼びかける考えだ。