2007年7月28日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】十七日に発生したサンパウロ市コンゴーニャス空港でのTAM航空機の事故が、空港近隣のモエマ区とカンポ・ベロ区の住民の恐怖心を以前にも増して駆り立てている。
モエマ区は飛行機の発着の通り道となっていることから、三分間隙で飛行機が頭上を通過する。一時間に二〇便、一日当り四〇〇回となる。マンションの高さスレスレに飛び交うこともあり、住民は接触しての事故を思うと、夜もろくに寝られないとしている。住民は空港を取り除くのが最良の方法だとした上で、さもなくば引越しするしかないと語っている。
今回の衝突炎上の現場となったカンポ・ベロ区は、空港の隣り合わせということで改めて恐怖が広がっている。住民は騒音には馴れたが、何時飛行機が頭上に落ちてくるかと常に心配していると語り、住宅地の中心に空港があるのが間違いだと言い切る。
調査機関によると、同区には現在五万九〇〇〇人の住人がいるが、ここ数年間恐怖のために離れる住人が相次ぎ、年間で六%の人口減少となっている。これにより、二〇一〇年には五万二〇〇〇人になるとみられている。不動産業者によると、住宅やマンションは敬遠され、値段もほかの中心街の半分以下になっているという。