2007年7月31日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】国庫庁(STN)のまとめた昨年度の財政収支報告書で、連邦政府、州政府、市の公務員の給与と退職者の年金に対する支出が、税収の四〇・一%に上ったことが明らかになった。
昨年度の税収総額は七六九二億二五〇〇万レアル、これに対し、現役・退職公務員の人件費は三〇八一億七一〇〇万レアルだった。さらに社会保障院(INSS)の年金と恩給への支出一四三九億七九〇〇万レアル、貧困家族手当などの所得支援策四四九億レアルを加えると四九七〇億五〇〇〇万に達し、税収の六四・六%が一部国民の懐に直接入ったことになる。
二〇〇二年と比較すると、税収は七〇%、公務員人件費は五四・三%増加した。人件費の内訳をみると、年金と恩給の増加率四九・七%に対し、現役の職員の給与は六七・一%と伸び率が高かった。〇二年から〇六年までの累積インフレ率は三七・七%で、民間企業の従業員の賃金はそれを〇・五%上回る昇給だったが、公務員は一九・五七%と、民間のそれを大きく上回った。
財政責任法では、公務員の人件費は連邦政府で税収の五〇%、州と市は六〇%と上限が定められており、昨年度の支出は上限を下回ったが、こうした緩い上限は税負担の増加により、かろうじてクリアされていると言える。