2007年8月1日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月二十一日】エタノールが再生可能な燃料としてエネルギー市場で脚光を浴びているが、濃度と揮発性、空中の水分への吸収という問題が未解決である。この問題に応える新しいエネルギー源フルトーズが、登場した。
フルトーズは、果糖と蜂蜜、サトウキビで合成されるバイオ燃料である。開発したのは、米国ウイスコンシン大学の研究室。フルトーズに凝固剤を使って化学反応を起こし、二・五ダイメチルフランという物質を創り出した。これが未来の夢の燃料だという。
エタノールと比較すると、濃度が四〇%高く、揮発性ははるかに低い。水溶性はなく、純粋なフルトーズ抽出が可能である。使用する果糖は、廃棄した果物や炭水化物から濃縮した形で直接取り出せる。米国では果物を化学処理しグリコーズに変化させるのが、最短コースと思われる。
ブラジルの場合は、サトウキビに含まれるスクローズが、フルトーズ分子とグリコーズの一分子の合成ダイサカルデオであることでプロセスを簡単に促進できると見ている。プロジェクトはまだ初期課程で、大量生産と商業ベースの研究に入る段階である。
この新燃料が大規模に生産されるなら、車両用ばかりでなく石油に代わる工業用燃料となる可能性がある。生産工程に消費されるエネルギーも少なく、酵素による発酵より凝固剤使用で時間の短縮になる。
精製工程も小さな機器で済むので、小規模で生産ができる。ルイス・ケイロス農大は早速、希望者を募り見学に行く。原料となる澱粉とコスト、食料品高騰への影響を調べるらしい。