2007年8月2日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】一九九六年から二〇〇六年までの十年間に、ブラジル国内十一大学の研究者が発表した論文など学術研究成果は、三倍以上に増加した。高等レベル人材開発(Capes)の最新データが明らかにした。
昨年発表数が最も多かったのはサンパウロ総合大学の四六六九件。以下、カンピーナス大学(一八四二件)、リオデジャネイロ連邦大学(一五三七件)、サンパウロ州立大学(一二八六件)、リオ・グランデ・ド・スル連邦大学(一〇六九件)が続いた。中でもヴィソーザ連邦大学(UFV)は十年前の五九件から昨年は四三七件へと六四〇%、セアラー連邦大学は七三件から三七三件へと四一〇%も急増した。
UFVのモレイラ大学院副総長は、研究者の育成に加え、論文発表を重視するようになった研究機関の「メンタリティ」の変化、英語への翻訳に対する支援や発表者の表彰などを増加理由に挙げている。発表数が多いほど研究予算を多く獲得できるような奨励策も功を奏したという。
国内では年間一万人が博士号を取得するが、多くは民間企業への就職が難しく、大学に留まって研究活動を続けていることも背景にある。
研究者一人当りの発表数ではカンピーナス大学がトップ。最も発表が多い分野は医学関係で、サンパウロ連邦大学は十年間に発表数が三七九%増加、昨年は六八五件に達した。過去三十年間にブラジル人研究者の発表した論文数は、世界全体に占める割合が〇・三%から約二%へと上昇した。