2007年8月3日付け
アルゼンチンの読者が同船者の消息を尋ねていると聞き、紙面で呼びかけた。船中で親しくなり、約十年間文通をしていたが、度々の引越しで消息が途絶えたという。
記事が出た当日、二人の読者から連絡が。その同船者は七〇年代に帰国したことが分かり、日本の住所も判明。早速お伝えした。
気にかけ、ずっと探していただけに「こんなに早く見つかるなんて…」と声を失った。どうやって二人は四十年の空白を埋めていくのだろう、そんなことを思った。
苦労を共にし、将来を語った仲間と久闊を叙したい―。新来記者には分からないが、同船者、同移住地での知己を探す思いは人それぞれだろう。
紙上での人探しは八割以上の率を誇る。探す本人もだが、情報を知らせてあげたいという人の思いもまた強い。その両者を繋ぐのも邦字紙の大事
な役割といえる。(剛)