ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 空港整備公団=新総裁にガウデンジ氏=なるか?組織改革=国防相とは「元同志」の仲=信任職の無試験採用発覚

空港整備公団=新総裁にガウデンジ氏=なるか?組織改革=国防相とは「元同志」の仲=信任職の無試験採用発覚

2007年8月7日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】ジョビン国防相は四日、空港整備公団(Infraero)ペレイラ前総裁の辞任に伴い、宇宙センターのセルジオ・ガウデンジ主任を後任に指名した。新総裁は、国内にある六七カ所の空港管理やその他を引き受けることになった。また、総裁の引き継ぎ人事で、同公団には国家公務員試験を受けていない未資格者が二〇〇人も幹部信任職にはべっていることも明らかになった。公務員採用規定では、特別採用を全人員の一%以下としており、同公団の場合、総数で二%以上も未資格者を採用し。機能不全を引き起こしていた。
 航空トラブルにより、前国防相の引責辞任に続き、空港整備公団総裁のペレイラ少将も三日に辞任に追い込まれた。同公団の機能不全で航空トラブルを引き起こし、しかも公務員試験を受けずに採用された未資格の幹部要員二〇〇人の存在が問題視されている。
 同公団が六月一日、採用規定を無視し、幹部要員二〇〇人を特別採用してから二カ月以上になる。給与一万一七〇〇レアル以下で規定数の一%を超え、一・八%に達した。給与総額では三%となった。現在の同公団職員は総数一万六〇〇人である。
 同公団は一九七二年十二月、独立採算制の公団として国防省の配下に置かれ発足した。目的は六七空港と八一カ所の航空管理設備、三二カ所の物流ターミナルの管理業務を行うものであった。検察庁労働局は、同公団の放漫管理に監査のメスを入れることになった。
 法務省の例にならって公団で未資格者を信任職へ採用することは許されていない。例外として看過されるのは、報道関係だけである。同公団が採用した未資格者は、下部要員も含めて二六三人になる。全員信任職就任の資格がないのに、政治家や役員の横車による情実採用である。
 同公団の放漫管理が未資格者の要職就任を許し、機能不全を招いた。同様ケースは、社会経済開発銀行(BNDES)にもあり、機能不全の兆候を見せている。
 辞任を余儀なくされたペレイラ前総裁は、政治家の圧力で同公団の構造改革や人事刷新のできなかった事情を恨んだ。それが結果として混乱を招いたとみている。前総裁はどんなタイプの飛行機でも乗りこなすが、政府機関という飛行機は政治力がなければ操縦困難であると述懐した。
 文化人の国防相が抜擢されたことで、民間航空分野は軍人抜きの体質改善が予想される。同公団には新国防相の肝いりで、構造改革の大なたが振られる。これまでは予想もできなかった荒療治を、ジョビン体制のもとで行うらしい。
 同公団の新総裁に就任したガウデンジ氏(66)は六〇年代、ジョビン国防相やセーラサンパウロ州知事と共に人民戦線(AP)の地下活動で共闘した同志である。バイーア州出身で、下議経験もある。現在は宇宙センター主任であった。
 本人は土木建築を専攻し、航空管理では素人を自認するが、国防相の要望を打ち合わせ、航空トラブルを分析してから公式発言をするという。インフラ整備では数々の要職をこなし、有能なスタッフを多数抱えている。空港管理もやぶさかではないと述べた。