GOL機墜落事故=犠牲者の遺品を略奪=貴金属や重要書類など=犯罪組織が悪用する例も
2007年8月7日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】昨年九月二十九日にマット・グロッソ州上空で小型ジェット機と接触して墜落し、一五四人の犠牲者を出したGOL航空ボーイング機の惨事で、犠牲者の遺品が略奪されていたことが明かるみになり、遺族の怒りを買っている。
遺族は事故発生から十カ月が経過した現在までに遺品を一部返却されている。しかし、遺族に言わせると、それらは在学証明書やクラブの会員証などの「価値の無いもの」ばかりで、肝心の身分証明書(RG)、個人所得税申告番号(CPF)などに加え、現金や貴金属品、時計などの返却は一切ないという。財布は返却されても中味は空っぽの状態で、犠牲者は無一文で飛行機に乗り込んだことになる。
犠牲者の個人書類が犯罪組織に流れ、詐欺事件などに悪用される例も出ている。ブラジリアで先月、新車購入用のローン二万レアルに犠牲者の書類が使われるという詐欺が発生した。また、リオデジャネイロ市郊外では、犠牲者が搭乗時に所持していた携帯電話が悪事に使用されたことが発覚した。
事故で死亡した実業家(50)の未亡人は、クリチーバ市の自宅で郵送されてきた遺品を受け取ったが、男性が常日頃片身離さず持ち歩いていたアタッシュケースが空っぽだったのにびっくりした。ケースには個人および経営する会社の重要書類と現金が入っているはずだった。
男性は搭乗前に未亡人に電話で五〇〇〇レアルを持ち帰ると連絡していた。ケースは普段は鍵をかけているが、返却された時は開け放たれていた。未亡人は空軍事故調査委員会に調査を訴えたものの未だに回答を得ていない。
またゴイアニア市で貴金属店を経営する女性は三歳の娘とともに事故の犠牲となったが、遺族に親子の身分証明書が返却されないばかりか、大量の宝石および貴金属類が戻っていない。女性が肌身離さず付けている金の鎖やピースもなくなっている。
空軍事故調査委員会では捜査を続けるとしながらも、略奪行為は起こり得ないとの認識を強調している。事故処理と遺体収容作業は空軍部隊が主力だったが、現場の立地条件からインジオや森林伐採者の援助も受けた。遺品はすべてブラジリアの航空会社の倉庫に収容され空軍が監視していたという。しかし、盗難や略奪は明らかであり、背景は闇に包まれて謎となっている。