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基金=能・狂言・のど自慢―=細川、カーン氏らが講演

2007年8月7日付け

 国際交流基金サンパウロ日本文化センター、国際日本文化研究センター(日文研)、サンパウロ大学日本文化研究所共催の講演会「日本の笑い~国際日本文化研究センター教員による音楽と演劇の講演」が二日午後七時半から同センターで開かれ、約三十人が参加した。
 「狂言 中世日本の演劇化された笑い」でティモシー・カーン日文研准教授は、能について、「実話を基に、人間の怨念など有のものを無にする『世界を正常化』する物語」としたうえで、仏教的影響も強いと説明。
 「架空の話でカオスのなかで終わる」狂言との違いを流暢な日本語で説明、映像なども見せながら、能・狂言の世界を紹介した。
 続いて、「シネマ屋ブラジルを行く」「サンバの国に演歌は流れる」などの著書のある細川周平同教授が「NHKのど自慢 戦後日本のメディアと笑い」と題して講演した。
 「のど自慢」は、戦前は素人が出ることがなかったラジオの世界に四六年に登場、五三年のテレビ放送開始から現在まで続く、日本最長寿の番組。
 日本の各地方を舞台に撮影、放映されることから、「小さな村々が全国と繋がっていると国民が感じる時間」とし、戦後、民主主義を根付かせる大きな役割を果たした、との持論を披露した。
 なお、細川教授は、九日午後七時半から、同センターで講演会「シネマ屋ブラジルを行く」を行なう。入場無料。先着百人まで。 詳細、申し込みは同センター(電話=11・3141・0110/3141・0843、またはメール(info@fjsp.org.br)まで。