2007年8月8日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】連邦最高裁(STF)第一審は三日、中央銀行が銀行口座を開示できるのは裁判所の許可を得たときに限るとする判決を、賛成三、反対二で下した。
今回の決定は、マット・グロッソ州立銀行のアラウージョ総裁の口座開示を認めなかった高等裁判所の判決に対し中銀が行っていた上告についての判断。現在、中銀は金融部門の監督機関として、公立、民間銀行の資金運用情報へのアクセスを実施している。
報告担当のメーロ判事は、判決理由として「中銀の監督権と、公的秩序の規範である口座開示の権利を混同してはならない」と述べた。口座開示はプライバシー保護を考慮しつつ、犯罪捜査の際に裁判所の許可の下で実施できるとした。
判決に反対したブリット判事は、中銀が公立、民間銀行の幹部の口座内容を知る権利は憲法で保障されているとして、金融部門の健全運営に取り組む中銀の権限弱体化を憂慮した。開示対象となる口座が一般市民のものではなく、金融関係者のそれである点を強調した。
中銀は判決を不服として、最高裁大法廷に申し立てを行う考え。口座開示を認めない高等裁は、金融システムの監督機関である中銀の合法的活動を制限し、違法行為の摘発を妨害していると上告の中で中銀は主張していた。