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また揺れた金融市場=一過性か、本格調整か?

2007年8月8日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七月二十七日】サンパウロ市証券取引所は七月二十六日、黒雲に覆われ、投機資金がわれ先に姿をくらました。しかし投機資金が多すぎて姿をくらます場所が少なく、行き場所に困った。ということは、まだ世界恐慌ではないらしい。
 しかし、カントリーリスクが一日で三八ポイントも下がるのは、不吉な現象である。リスク・プレミアムが二二一ポイントとは、外国人投資家にとって米国債のTノート配当に上積み配当(イールド)が、さらに年二・二一%になることを意味する。
 リスク・プレミアムが下がれば、ブラジル経済の好転を意味する。二十六日の場合は、米国債がブラジル国債より安全であることを意味し、投資家は配当の少ないほうへ走った。
 米国の不動産債券は長い間バブルを形成していた。それは、ハイリスクの不動産担保によるローンに依存したからだ。それが米国で不動産ローンの決済に不履行が生じ、それを国際金融が嫌って一斉に資金を引き揚げたためだ。
 問題は冷や汗で済むのか。過去に何度も苦い経験をした資本市場の本格的調整に入るのかだ。売りか買いかは分からないし、専門家の意見もマチマチ。
 大きく分けて二つの見方がある。一は、世界的に低利なため資金はだぶつき動きが鈍い。それでいて世界経済は順調。二は過去数年間、途上国が外貨準備高を貯め米国債を購入している。この米国債は各国の中央銀行が管理しているため、往年のような恐慌は起きないという見方だ。
 臆病者の流動資金が多すぎて、雨宿りするにはひさしが小さ過ぎる。本格的な嵐が来たわけではないが、避難場所は少なく右往左往する流動資金の多いことが判明した。ならばパニックが起きたとしても、短期間に回復すると予測される。この見方が正解かどうか、確かめて見る必要はある。