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「快適な空の旅」を要求=国防相、航空各社に=現行の座席空間は苦痛

2007年8月10日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】ジョビン国防相は八日、上院の航空トラブルCPI(議会調査委員会)で発言し、飛行機の座席間の空間を広くしてより快適な空の旅ができるように、各航空会社に見直しを求めたことを明らかにした。これにより座席数が減り、乗客の数も減少することになるが、止むを得ないとの考えを強調した。
 同相によると、航空ブームにあやかり、各航空会社は座席を増やして乗客増を図ることに専念してきたが、今後は乗客への思いやりに配慮すべきだとの見解を示した。その上で、ブラジル人の標準体格の身長一九〇センチ、体重一一〇キロでは現行の座席空間は苦痛を強いられると指摘している。
 また、各航空会社の座席は背もたれの小物入れにミネラルウォーターなどのビンを入れると、前席に座っている人の背中が痛くて座っていられない事態になっていることも指摘しており、「適切な空間」が必要だと強調している。
 さらに国防相は、各航空会社が飛行便運航により真剣に取り組むために監視を強化し、厳罰が必要だとの態度を示した。とくに飛行便の遅れやキャンセルに対しては高額な罰金を科することを示唆した。現在は遅延やキャンセルによるメリットと罰金の比重を見る傾向にあると指摘している。
 これに対し各航空会社は一斉に反発している。特に座席の空間を広げることにより収益性が下がることで、航空料金の値上げは避けられないとしている。ルーラ大統領が料金を下げる努力をするべきだとの声明を出した折から、国防相の発言はその意に反すると指摘している。
 座席の空間についてはジェット機が製造されているヨーロッパやアメリカが適用している国際規格の二七インチから二八インチ(約七〇センチ)を基にしており、例えばTAMエアバスA320型機の場合は七七・五センチとなっている。
 いずれにしても新任の国防相と航空会社との間のあつれきはさらに深まる様相を呈している。