2007年8月11日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】空港整備公団(Infraero)のガウデンジ総裁は九日、エスタード紙とのインタビューで、TAM航空機事故の舞台となったサンパウロ市コンゴーニャス空港の主要滑走路を短縮し、非常用スペースを設ける案を検討していることを明らかにした。この案はすでに空軍にも提案されているという。
現在、主要滑走路は一九四〇メートルだが、これを一六四〇メートルに短縮し、残り三〇〇メートルを非常用スペースとする。専門家の意見では、滑走路の安全性が高まるという。事故機のエアバスA320は着陸最低距離が一四九三メートル、この他ボーイング737―300、同737―700、同737―800、エアバスA319、フォッカー100も最低距離が一六四〇メートル以内で、短縮されても基本的に着陸できる。
同総裁は、コンゴーニャス空港主要滑走路の使用については機体の重量を厳しく制限すべきで、制限を超える機種は、グアルーリョス空港やヴィラコッポス空港に着陸すればよいと述べた。
一方、空港の安全性を高めるには滑走路の短縮よりも滑走路の先端部に航空機停止エリアを設置する方がより効果的だと主張する航空技術者もいる。同エリアは深さが様々なプールに穴の開いたコンクリートを満たし、そこに入った飛行機にブレーキをかける仕組み。また別の技術者は、滑走路を短縮しても今回のような事故は防止できないと話している。