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空港周辺に違法建築物=空軍の許可を得たものも

2007年8月11日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】空軍調査局は、サンパウロ市都市圏の三つの空港に離着陸および航空の障害となる建造物などが二一五カ所あり、危険をともなうとして警戒を発した。これらはコンゴーニャス空港で一一八カ所、クンビッカ空港で五一カ所、カンポ・デ・マルテ空港で四六カ所で、いつ事故が発生してもおかしくない状態だと指摘している。
 空軍当局によると、建造物は海抜標高で許容範囲を超えた違法建築物だと指摘している。しかし建造物には空軍の許可を得て建築されたものも含まれており、さらに危険の内容が説明されていないことで物議をかもしている。七月五日までに行われた調査は、TAM航空機事故発生の一週間後に発表され、三日の官報(ジアリオ・オフィシアル)で公表された。
 それによると、コンゴーニャス空港では一一八カ所のうち二九カ所が空港敷地内に存在しており、驚きの至りだ。主な物はフィンガー(規格よりも〇・五五メートルオーバー)、樹木(六・五三メートルオーバー)アンテナVHF(一〇・三九メートルオーバー)、サーチライト(一一・八四メートルオーバー)、ターミナル(三・一二メートルオーバー)、このほか空軍司令官や閣僚が使用するVIPルームも規格外となっている。
 空港外で最も注目されたのがTVクルトゥーラのテレビ塔で、規格を八一・三四メートル超えている。テレビ塔はエイトール・ペンテアド街とDR・アルナルド大通り(ピニェイロス)の角に建立されている。TV局によると、空軍が建立を許可したという。
 また、空港前のワシントン・ルイス大通り六九七九番の航空シンジケートのビルも二・七九メートルの高さオーバーで危険障害物の指摘を受けた。また十一階建てのホテルも二・六五メートルオーバーで規格外とされている。このホテルはTAM航空機事故直後に市当局が摘発したことを受けてカサビサンパウロ市長が撤去命令を出した。ホテル側はこれに対し、空軍の建築許可を得たことを理由に裁判で係争中だ。
 クンビッカ空港では、ハンガー、高圧電線塔四基、携帯電話アンテナ二基が規格オーバーで危険視されている。グアルーリョス市内のアッセンブレイア・デ・デウス教会は四二・〇二メートルのオーバーとなっている。カンポ・デ・マルテ空港では四六カ所が危険とされているが、民間航空機の発着がないとは言え、都心だけに危険がともなう。航空安全に向けての都市整備は市当局の責任となっていることから、サンパウロ市およびグアルーリョス市では今後の対応を余儀なくされることになる。