2007年8月11日付け
サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)経営の日伯友好病院は、最新のMRI機器(磁気共鳴画像診断装置)の稼動を先月から始めた。八日、JICAサンパウロ支所の野末雅彦次長をはじめ援協の関係役員を招いて初公開した。出席した役員らは「これまで以上に精密な医療検査を利用者に提供できる」と大きな期待感を示している。
MRI機器とは、磁力と電波を用いて体の各部位を様々な角度から断面画像で映し出す先端医療機器。CTスキャンと違いX線を使用しないため、人体への影響も少ないとされる。
援協が導入したMRIは、アメリカ大手メーカーのGE製。これまでのものは東芝製で、十年間使用し、老朽化が進んでいた。購入額は取り付け費用などを含めて、約二百万レアル(約一億二千万円)。病院の積み立金から購入され、先月中旬から稼動している。
関係者によれば、検査費用は、平均して一回、約八百レアル。検査時間は三十分から一時間ほど。申し込み状況や緊急性などによるが、予約してから一週間前後で検査が受けられる。
同検査課の責任者、上住清美さんによれば、最新のMRI機器では「解像度がよくなり一ミリのレベルまで断面画像を映し出せる」。以前の機器は四ミリが限界だったことから、より正確な診断結果を出せるようになった。
また一カ月あたりの検査できる人数も以前より百人以上増やすことができ、大幅に利用者のニーズに応えられるという。
出席した関係者からは「必要な時期にしっかりと設備投資をしていくことが病院の生き残り策になる」との声が聞かれた。