2007年8月11日付け
栢野定雄さん(72、ニッポン・カントリー・クラブ=NCC会長、文協第三副会長)が、六日、サンパウロ市名誉市民章を同市議会で受章した。会場に二百人近い人が集まり、これまでの栢野さんの功績を称えるとともに、受章を祝った。
栢野さんは、三四年にリンスで生まれ、USPのポリ・テクニコを卒業。岡山大学で研修をしたのち、ピラチニンガ文化体育協会会長やアルジャー・ゴルフクラブの役員などを務めた。
NCCには、六〇年の創立から携わり、九三年会長に就任。同クラブを、二万八千人の会員、五十三万平方米の敷地、十四種のスポーツ施設を有する、州内最大の団体に作り上げた。
授与式には、飯星ワルテル連邦下議、上原幸啓文協会長、松尾治県連会長、渡辺和夫文協評議委員長らが列席。提案者である野村アウレリオ同市議が「質のある活動を行ってきた。企業家としての精神や開拓者の功績をこのブラジルで確立してきた」と讃称。
栢野さんは関係者への感謝を述べたのちに「多くの日系人で構成されているクラブは、来年の百周年でも議会と協力して、盛大に祝っていきたい」と抱負を述べ「僕の人生は平坦なんですよ。悪いこともそんなになかった」と過去を振り返った。
上原会長は「大学のころからの旧友で、百周年に向け、ともに重要な役割を担っている」と話し、栢野桂山さん(90)は「年も離れていて、今では父親代わりですよ」と、嬉しそうに受章の様子を見つめていた。