2007年8月14日付け
来年に迫った「憩の園」の設立五十周年・移民百周年にあわせて、グアルーリョス市にある同園の庭園内に、野外講堂を建設する計画を進めている救済会(吉岡黎明会長)が、早期に建設費を工面するため、会員や企業向けに寄付の要請を始めることがわかった。すでに二年ほど前に設計図を完成させており、あとは約百二十万レアルの建設基金を集める段階にあるという。
吉岡会長によれば、課題となる建設費は総額百二十万レアル。現段階ではこのほぼ全額を会員や企業などの寄付で集める方向で、個人からは一口数十レアルとし、新聞紙上などで協力を呼びかけるという。
講堂の敷地面積は約千二百平方で、四百人の収容が可能。舞台や調理室、運動スペースなどが備えられ、老人介護の講習会の会場などとしても使用される。建設にあたり、入り口から講堂までの道路もあわせて整備していく方針だ。
また講堂の名前に、移民の母と呼ばれた渡辺マルガリーダとともに、第二次大戦中に日本移民の保護に尽力した元外交官、宮越千葉太(みやこしちばた)の名をつけることも決まっている。
吉岡会長はこのほかにも、聖路加国際病院名誉院長で、著書『生きかた上手』でも知られる日野原重明氏(96)が来年九月ごろに「憩の園」を訪問する予定、と明かし、それを含めて「できれば来年五月から九月までには講堂を建設させたい」と話している。