2007年8月18日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】上院執行部は十六日、カリェイロス上院議長(ブラジル民主運動党=PMDB)がリラ元下議(ブラジル労働党=PTB)とともに、アラゴアス州の新聞社一社とラジオ放送局二局を名義賃貸人(ラランジャ)を使って二五〇万レアルで購入したという、「第三の疑惑」を倫理委員会で調査することを、満場一致で決定した。
執行部会はヴィアナ第一副部長(労働者党=PT)が欠席したため、ジアス第二部長(ブラジル民主社会党=PSDB)が取り仕切り、他の二つの疑惑よりも短期間で倫理委員会での調査が決まった。
倫理委員会では、すでに議長をめぐる二つの疑惑が調査されている。一つは、愛人の生活費と家賃、愛人に生ませた娘の養育費を請負企業メンデス・ジュニオールのゴンチージョ氏に肩代わりさせていたというもので、同委員長によると、報告書の作成はほぼ終わり、二十日の連邦警察調書受領待ちとなっている。今月末か来月初めには、報告書について表決が実施される見込みだという。
もう一つは、同議長が社会保障院(INSS)と連邦国税庁に罰金を科せられた飲料製造会社スキンカリオールに便宜を図って両機関に対し口利きを行い、見返りに同社は二七〇〇万レアルを議長の兄弟である下議の飲料製造工場に支払ったというもの。議長とスキンカリオールは疑惑を否定している。
カリェイロス議長は野党を始め与党議員の一部から圧力を受けながらも、疑惑は自分を陥れる策謀だとして、辞任を断固拒否している。ジアス第二部長は混迷を深める議会を正常化し、イメージを改善するためにも、できるだけ早急に手を打たなければならないと述べた。
一方、リラ元下議は十六日、新聞社と放送局を買収するため議長が自分と秘密裏に会社を設立したと上院監察委員のトゥーマ上議に証言した。また、元下議は議長に小型ジェット機を貸していたと暴露した。今回の証言で議長の立場はさらに悪化したと同上議はみている。