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メンサロン議員は不問=PT、党方針を決定=最高裁判決前に先手打つ

2007年8月21日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九】数々の国会スキャンダルが相次いで発覚した中で、その発端となった労働者党(PT)不正資金(メンサロン)スキャンダルが、久し振りに政界の話題として登場した。
 二〇〇五五月に不正が発覚し、ルーラ政権の屋台骨を揺るがす混乱に発展したが、二年二カ月を経過した今、連邦検察庁が最高裁に四十人を起訴し、判決が近日中に下される見通しとなったことで、事件の行方が改めて注目されている。
 これに対しPT党執行部は、最高裁の判決がいかにあれ、疑惑の渦中にある元執行部役員および国会議員の罪を不問にした上で、党籍はく奪は行わないとの党方針を決定した。党内にはスキャンダルの調査および懲罰委員会を設置すべきだとの根強い動きがあるにもかかわらず、今回の党方針決定の背景には、今月三十一日から来月二日にかけて開催される全国党大会がある。
 最高裁の判決がそれ以前になると、党大会の議題が独占されて混乱することが必至となる。そのために党執行部は疑惑を不問として党大会での議論を阻止したもの。執行部によると、過去を議論することを避けて、二〇〇八年の市長選、さらに一〇年のルーラ大統領の後任人選などの重要案件が山積みされているとしている。
 PTがスキャンダルに対し頬かぶりをすることは、ことさら耳新しいものではない。事件が発覚して以来、規律委員会が唯一度設置され、時の党財務理事ソアレス氏の党籍はく奪を決定したのみにとどまった。同罪とされた総務責任のペレイラ氏は離党届を出した。このほか当時のジェノイノ総裁が辞任、さらにはルーラ内閣のジルセウ官房長官が辞任、グシケン内閣報道長官が降格するなどしたが、党内では何のオトガメもなかった。
 このスキャンダル事件は国会では汚職事件の典型ともいうべきトカゲの尻尾切りで終わった。議員権はく奪の有罪は前官房長官を含む四人で、議員辞職が四人、無罪放免が十二人の上がった。