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静岡県人会が50周年記念式典=半世紀の歴史「大きな誇り」=石川知事、デカセギ5万人に言及

2007年8月21日付け

 半世紀の節目を盛大に祝う―。ブラジル静岡県人会(鈴木静馬会長)の創立五十周年記念式典が十九日、サンパウロ市の同会会館で開かれた。静岡県知事訪問団(石川嘉延県知事)や掛川市訪問団(戸塚進也市長団長)、ふじのくにブラジル訪問団(奥之山隆団長)の約四十人が来賓で参加。県知事の来伯は二十九年ぶり。県人人会会員や各県人会の代表者など約二百人が集まり、日伯両国の今後の更なる相互交流を誓いあった。
 大橋健三第一副会長の開会の辞に続いて、日伯両国歌を斉唱。先没者へ一分間の黙祷を捧げた後、入院中の鈴木会長にかわって大橋副会長が祝辞を代読。その中で大橋副会長は、母県の助成金や技術研修員・留学生の受け入れに感謝の意を示した上で「県人会が今年五十周年を迎えたのは大きな誇りです」と紹介した。
 石川県知事は、ブラジルがBRICsの一角として世界的な経済成長の基点になるとしたうえで、現在、同県には約五万人のブラジル人労働者がいると紹介。「(彼らが)静岡でいろいろな技術を身に付け、母国の発展に貢献されることを期待したい」と語った。
 また、静岡県民一人あたりの平均所得が東京、愛知についで第三位であることや、〇九年三月には茶の産地で有名な牧の原台地に静岡空港が開港すると紹介。国際便ではアジアを中心に、国内では日本航空、全日空から札幌、福岡、沖縄便が同空港と結ばれる予定とした。
 佐野康輔県議会議長は来年の移民百周年にふれたうえで「ブラジルと静岡の結びつきは今後益々強くなる。みなさまが両国の友好のかけ橋となることを期待したい」と祝辞を述べた。
 続いて戸塚掛川市長は、今回が初めての南米訪問とあいさつ。同市が通訳五人組の一人である平野運平の出身地とのべ、「掛川の誇り」と称えた。また同市に暮らす約四千人のブラジル人は重要な労働の担い手と語った。
 このほか石川県知事によって優良海外移住者表彰がなされ、一九二九年に移住し、現在はパラー州ベレン市在住の大橋敏男さん(91)らが表彰された。大橋さんは自身を〃南国静岡出身のアマゾンの山猿〃と自己紹介し、「肉体は死んでもこの名誉は末代まで忘れられないもの」と喜びを表した。また喜寿を迎えた同県人会の松浦アントニオ第二副会長が表彰された高齢者を代表して謝辞を述べた。
 式典後の祝賀会ではケーキカットに続いて記念のアトラクション。静岡の賛歌にあわせて体操する「健康音楽体操」が、同県人会の会員らによって披露され、大きな拍手をあびていた。
 式典にあわせて編纂を予定していた県人会の記念誌は今年末までに完成する予定。約三百ページで、県人会の五十年の歩み、県人ブラジル在住者の名簿、平野運平の歴史などが盛り込まれるという。
 県知事訪問団には松浦康男県商工会議所連合会会長やデカセギの多い磐田・菊川の両市長も参加。三つの訪問団は昨二十日、平野運平の墓参りに訪れた。
 石川県知事はきょう二十一日午前、サンパウロ州工業連盟(FIESP)経済セミナーで講演を行う。その後、ブラジリアでブラジル連邦貯蓄銀行頭取や教育大臣らと会談し、現地の県内関連企業の視察したあと二十三日に帰国する。
 式典には西林万寿夫総領事や日系三団体の各代表、同貯蓄銀行の代表者、鈴木モニカ在アルゼンチン静岡県人会代表らが出席した。