2007年8月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】連警は二十日、北東部の農場で果物を生産し、その輸出に紛れ込ませてコカインをヨーロッパに密輸していた九人を逮捕した。一味は十八日、ウルグアイの農園で四八五キロのコカインを所持していた麻薬不法所持で検挙されたばかりだった。
主犯格はコロンビア人の男で、合法的にブラジルに居住、サンパウロ市モルンビー区の高級住宅に居を構え、北東部サンフランシスコ河流域のジュアゼイロ市(バイーア州)とペトロリア(ペルナンブッコ州)などに三つの広大な果物農園を経営していた。
さらに輸出会社を有し、果物をヨーロッパに輸出していた。ヨーロッパでも輸入会社を有し、受け皿としていた。このため連警は国内五州にまたがる捜査のほか、オランダ、英国、フランス、スペインの警察にも協力を仰いだ。
警察によると、主犯の男は国内に一億ドルの資金を有し、果物を輸出する際に箱を上げ底にしてコカインを隠し、密輸していた。コカインはコロンビアからパラグアイの隠し倉庫に収納され、小型機でブラジルに運ばれていた。
警察ではコロンビア麻薬カルテルの大物首領の一人で、七日にサンパウロ州バルエリ市で逮捕されたアバジーア容疑者と今回の一味が関係しているとみて追及している。一味の小型機のパイロットが同容疑者の組織に属していたため、背後でつながっているとみている。
コロンビアの麻薬組織はコロンビア国内でのアメリカの取締りが強化されたことで、ヨーロッパへの密輸ルートをブラジルを拠点として置き換えている。パラグアイ経由のほかにベネズエラやスリナムを経由して北東部に持ち込むケースが急増している。一部にはアマゾン地方からヨーロッパに向かうものもあるが、北東部に集中している。このため組織の幹部がブラジルに潜伏し取り仕切っている。今回の検挙もその一部とみられている。