ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 背任罪で37人を起訴=裏金疑惑の政治家ほか

背任罪で37人を起訴=裏金疑惑の政治家ほか

2007年8月22日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】連邦直轄区連邦検察庁は二十日、裏金を使って議員を買収した罪で二〇〇六年三月に最高裁(STF)に起訴された政治家ら四十人のうち三十五人と他二人の三十七人を、公金を不正に使用した五件の背任の罪でブラジリア連邦裁判所に起訴した。
 起訴されたのは、ジルセウ前官房長官(労働者党=PT)とPT議員六人、ジェファーソン元下議(ブラジル労働党=PTB)ら与党議員八人、広告業者ヴァレーリオなど二十二人。議員買収の罪で起訴されたクーニャ下議(PT)ら五人は、贈収賄に直接関与していないことを理由に不起訴処分となった。
 今回の起訴は最高裁の審理する調書二二四五号の内容に基づいたもので、民事訴訟であり、受理されれば最高裁と並行して連邦裁で審理が行われる見込み。被告らは少なくとも五五〇〇万レアルを不正に動かし、国庫に損害をもたらした疑い。
 検察の主張が認められ有罪判決が下りれば、背任罪は身分保障という議員特権の対象外のため、議員は公職追放のほか、今後三年から十年の間、参政権を失うことになる。また、損失分の国庫への返納と三倍の罰金を科せられる。
 ジルセウ前官房長官の弁護士は、「最高裁の判決が出る二日前にこうした起訴を行うのは、事件を政治宣伝に使うものだ」と述べ、検察庁を批判した。他の被告の弁護士らは事件への関与を否定、またはマスコミの取材に対しコメントを拒否した。