2007年8月22日付け
リベイロン・プレト市で、三万羽の〃野性の〃鳩を市民が集まる教会の広場から駆逐したというニュースがあった。花火とサーチライトによって、というから二度と来ないようにできたか否かは疑問である▼それにしても、人間は勝手なものだ。羽数が少なくて仇(あだ)をしないときは、教会なり神社に集まってくれば「かわいい鳩ちゃん」、多過ぎて煩わしくなれば「憎い鳩め」になる。リ・プレトでは、糞害で脳膜炎に罹病する人が市民に出てきたので、駆逐したとあったが、憎き鳥はサルモネラ菌の保有者でもあるそうだ▼糞は強アルカリで付着すると、そのものを劣化させる。身近なことをいえば、街を歩いているとき、上方の電線から「ぺたッ」と異様なものが降ってきて、クリーニングしたばかりの衣服に付けば、被害者の気持ちはけっして穏やかではない▼鳩の有用さは、いくつか挙げられている。仕草がかわいいのでペット的存在、伝書の役割を忠実に果たす、さらに大気汚染のモニター役など。日本の神社などでは、みやげ物の鳩玩具、鳩菓子、さらに病気治療にご利益がある、などアプロベイタして、恥じるところ?がない。病気にご利益なんか「知ってる?、サルモネア菌がいっぱい!」と一言きけば、「えッ」と目が覚めるだろうに…▼そして、増えれば駆逐や駆除。実に勝手なものだ。人間社会も少子化を何とかしよう、といっている内は平和なのかもしれない。多くなると問題が起きるのは歴史が教えている。(神)