2007年8月24日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】ジョビン国防相は二十二日、相次ぐ航空トラブルの中で、とくに先月発生したTAM航空機A320型の事故を巡り、体質が問われている民間航空庁(ANAC)を内部捜査し、関係幹部職員を告発するとの意向を示した。
同相が上院インフラ整備委員会で意向を明らかにしたもので、職員は名指ししなかったものの、その後の記者会見で渦中の人物のデニゼ・アブレウ理事を重点的に捜査することを示唆した。
アブレウ理事はコンゴーニャス空港の主要滑走路の閉鎖を阻止するために、公式には有効性のない内部技術書を裁判所に提出して運航を許可させた嫌疑がかけられている。ひいてはこれがTAM航空事故の大惨事を招いたと指摘する向きもある。
ANACは国防省の管轄にあるが、スタッフの任命権は大統領にあることから、罷免は大統領の承認が必要となる。これに対しジョビン国防相は、すでに大統領の事前了承は得ているとして、メスを入れることで理事の大半は入れかわるだろうとしている。政府の意向は、様々な批判が出ているANACを廃止し、代りに民間航空審議会(CONAC)に実権を委譲するのが狙いとされている。
アブレウ理事は裁判所への偽申告で航空会社に便宜を計ったとして「ゆ着」を追求されている。またリベイロン・プレット市の空港に貨物便を集約し、同市の企業が管理するという話し合いが持たれた疑惑が生じ、航空トラブルCPI(議会調査委員会)が口座を開示して調査に乗り出した矢先だった。同理事はCPIで明白にするとの態度を表明している。