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コ空港着陸の危険性を認識=整備公団技術会議で=対策二の次、惨事防げず=「事故があれば皆納得」

2007年8月25日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】下院の航空問題CPI(議会調査委員会)は二十三日、民間航空庁(Anac)と空港管理公団(Infraero)がTAM機惨事の七カ月前、コンゴーニャス空港で航空機着陸の危険性を知っていたことを証明する内部文書を発表した。Anacの技術会議は十二月十三日、Infraeroと航空各社をリオデジャネイロ市に招き、同空港で航空機が制御不能により衝突などの事故発生を起こす可能性が切実であると伝えた。同会議の協議内容は、まさに物流センターに衝突し一九九人の犠牲者を出したエアバス機の惨事そのものであった。同会議議事録は、同空港の主要滑走路における憂慮すべき問題点を指摘していた。
 議事録のコピーは、Anacのアブレウ理事からCPI委員に配布された。同議事録にはAnacの技術担当が、同空港で離陸に失敗した場合と制限速度以上のスピードで着陸した場合、規定高度以上の高さで着地態勢に入った場合、指定地点に停止できず設備に衝突した場合の事故発生の可能性を明記している。
 空軍事故担当のケルスウ空軍少将は七月、Anacと航空会社の技術会議に出席し「事故が起きれば皆が納得する」と発言したことをCPIで証言した。事故が起きなければ、誰も動かない。また未然に惨事を防げなかったことで当局の優柔不断を遺憾とした。
 航空会社は、パイロットにコンゴーニャス空港着陸が危険と思われる場合、クンビッカ空港での緊急着陸を指示していたという。また、同空港の滑走路の状態に関する情報の提供不足だと当局の怠慢を航空会社が訴えた。同空港での着陸は、自動ブレーキを最大限にかけるのが常識であったという。それでもダメなら、万事休すとされた。
 Anacは一月二十四日、滑走路の使用で空軍の保証をもらうことを決めた。滑走路の二五%以上で三ミリ以上の雨水がたまっていたら、使用禁止となっていた。しかし、安全は常に二の次にされた。事故当日の双眼鏡による滑走路検査は「リスクあり」だったが、「事故あり」になってしまった。
 しかし、同理事がサンパウロ州裁判所へ提出した補足説明書(IS)と議事録は、内容が矛盾するとCPIはみている。ISは滑走路の使用許可を申請するもので、Anac技術部の内部文書である。議事録は、濡れた滑走路の使用について航空各社の意見を求めたものだ。
 同理事は、ISで滑走路の使用判断を技術部の責任としたようだ。EメールでISを発表したので、使用は許可されたと解釈された。Eメール発表を決めたのは同理事であると空港公団の責任者が証言した。CPIは、議事録が内部での協議に過ぎず公文書ではないし、同理事のアリバイにならないとした。
 同理事は、滑走路の使用許可とEメール発表で自分に責任がないことを強調した。滑走路の状態の是非は技術部の判断であり、使用許可はサンパウロ市の連邦地裁へ申請し、大型機の離着陸までも認可されたという。ISは着陸を禁じていないし、逆噴射を最大限に使えとは、フィルムを逆方向へ回すことではなく、逆に噴射するという意味だと述べた。