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7月の経常収支赤字転落=貿易黒字大きく減少=8月以降は黒字回復見通し

2007年8月25日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】七月度の国際経常収支は七億一七〇〇万ドルの赤字となり、過去一年半の間で初めてマイナスに陥る事態となった。中銀が二十三日に発表したもので、海外での貿易収支、サービス業務、その他の収支の合計で、二〇〇四年四月以来の大きなマイナスとなり、中銀筋および金融業界の予想をはるかに下回った。
 今年の累計では、しかし、三六億六六〇〇万ドルの黒字で国内総生産(GDP)の〇・六%相当となった。七月までの過去十二カ月間の累計では一一四億六九〇〇万ドルの黒字(GDPの〇・九九%)となったものの、〇四年十一月以来の最低を記録した。
 中銀のロペス経済担当理事によると、七月の結果が一般の予想を下回った原因は貿易黒字の減少にあるという。今年七月の貿易黒字は三三億四七〇〇万ドルで、昨年七月の五六億五九〇〇万ドルをはるかに下回った。当然のことながら輸入の増加が原因で、輸入は国内需要が活発化したことで、燃料や原材料および資本財などが伸長し、昨年七月対比三五%増加を見た。
 また、このほかの要素として、国債金利のボーナス支払いが九億七九〇〇万ドルに上ったことと、民間企業の海外への利益送金や債務支払いが集中したことを挙げている。これらは六月度の一七億ドルから二一億ドルへと増加した。
 しかし、同理事は、七月度の赤字転換は一時的現象であり、八月度は収支トントンのゼロで均衡すると予測している。さらにその後は少額ながらも黒字で推移するとの見方をしている。
 いっぽうで中銀のデータによると、外国人投資家による投資が増加しており、七月度の外資直接投資は三五億八四〇〇万ドルに達した。年内では二四四億四八〇〇万ドルの累計で、過去十二カ月間で三四一億五九〇〇万ドルという史上最高を記録したことで、ブラジルの経済安定、将来の評価が高まった証拠だと見る向きが多い。