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ホンダ・ロック、サンパウロ州へ進出=デカセギを工場幹部に=日本で採用、いま訓練中=本人にも会社にもメリット

2007年8月25日付け

 自動車の鍵や安全に関わる製品を製造している(株)ホンダ・ロック(本社=宮崎県)は、マナウスに続くブラジルでの二つ目の工場を、サンパウロ州イツペーバ市に建設する。同工場では、現在日本にいる日系デカセギら十九人が、日本の本社で研修を受けた後帰国して、工場内のリーダーとして働くことになっている。日本から三神哲夫社長を迎えて起工式が、二十一日、工場建設予定地で行われた。
 新工場は、ホンダのスマレー工場が生産を拡大するのに伴ってのもの。二〇一四年までに三千五百万レアルを投資して、来年八月から三万六千平米の敷地で約六万台分の生産を始める。二〇一三年までに百六十二人を雇用する予定だ。
 従業員として日系デカセギを雇うことについて、プロジェクトリーダーの一政千歳さんは「お互いにとってメリットのあるやり方」と説明。
 二〇〇五年、マナウスに進出する際にも、十二人のデカセギを日本から呼んで雇用している。「日本から駐在員を呼ぶとお金がかかりますし、現地化という意味でも、日本語ができる分(帰国デカセギには)強みがある」。
 ブラジルで働くことを前提に、日本語が話せ、学歴が高卒以上のデカゼギ者を募集。今回は二百六十人の中から十九人が採用された。二十歳から四十歳で、在日期間は四年から十年と幅広い。
 「本社のやり方を覚えているし、帰国者にとっても、単純労働でない、違った将来がある」と利点を話し、「これから日本人の技術者よりもブラジル人を連れてこよう、ということになるでしょう」と展望を話した。同社にはデカセギの採用について、他の進出企業数社からの問い合わせがあったという。
 起工式にはオシマル・ポリ・イツペーバ市長、長友契蔵宮崎県人会会長らが出席。三神社長は同地を選んだ理由に、利便性、労働力の豊富さ、治安のよさをあげ、「自分の目で確認して選んだ」とあいさつ。「ここを拠点に南米に拡大していきたい」と今後の抱負を述べた。