2007年8月25日付け
日本と南米は遠い。国にもよるが、ペル―やチリとは太平洋が横たわり2000キロも離れている。それでも、縄文土器とペル―の土器がとても近い関係にあるの学説があって支持者も結構多いらしい。今から3000年以上も昔に―縄文人が海を渡ったの説もあって壮大な夢が果てもなく広がる。60年のチリ沖地震(M9・5)のときは、津波が発生して三陸海岸に押し寄せ61人が死亡、多くの家屋が倒壊した▼この津波の速度だが、一般の考え方より遥かに速い。チリ地震の際は、東京と大阪を結ぶ新幹線を3倍も超えるスピ―ドで荒波を押し分け日本列島に向かった。時速約800キロの記録が残っている。三陸というのは、陸前・陸中・陸奥の3国を言うものであり、この地域は津波が多い。明治29年(1896年)の大津波は2万二千人超の死者がでたし、昭和8年(1933年)には3000人の犠牲者を出している▼先のペル―地震でも、日本で規模は小さいながら津波があったし、遠く離れていても、ラニ―ニャもあるし気象や津波では真に近い。この地震では500人を超す住民が死亡し8万人もの被災者が苦しんでいる。幹線道路の陥没などで救援物資の輸送が遅れ、被災地では掠奪も起こった。最大の被害地イカ市では山野隆さん(87)が死去の哀しいニュースも届く▼そんな悲報と悲惨が続くなかでペル―の日系人は、同胞や犠牲者らの救済に全力を上げている。食料や衣服などを集め被災現地に送るのは大変な苦労が伴うだろうが、こうしたときこその日系社会である。ガンバレ―日系人と声援を送りたい。(遯)