2007年8月29日付け
【ヴェージャ誌二〇二二号】最高裁は一八〇八年、嘆願所として発足し、二世紀にわたる苦汁の歴史がある。ヴァルガス大統領は一九三〇年、何の断りもなく最高裁判事を一方的に任命した。軍政時代の一九六四年、最高裁判事三人が追放され、三権分立の精神は著しく制限された。
民主政治が行われる現在、最高裁判事は盗聴設備の潜入に戸惑いながら専制国家の臭いに憤怒している。最高裁判事十一人のうち五人が、電話や会話が誰かに盗聴されていると訴えた。疑惑の目が向けられたのは、連邦警察のブロード・バンドである。
連警はいまや政治家の権力闘争で片棒を担ぐゴロとなっている。最高裁の一挙手一投足に権力闘争の行方がかかるので、監視の目が光っている。裏金疑惑の審理が始まったことで、最高裁は窮屈なところとなった。それでペルテンセ判事は、定年退官の前倒しを申請したらしい。
裏金疑惑は、政界の主な政治家を巻き込んだ大きな犯罪組織をあばく裁判である。その中に同判事の知人であるジルセウ前官房長官も連座している。同判事は公私両面で盗聴されていることが、心の重荷になっていたようだ。
最高裁における違法盗聴は大統領選が始まった二〇〇六年九月、ペルーゾ判事が電話の雑音を点検してもらったところ発覚した。さらにアウレリオ判事と選挙高裁のリベイロ判事も、盗聴されていた。調べたところ、民間の盗聴会社が政治家の依頼だと白状した。
盗聴会社代表の供述で、連警の誰かがハリケーン作戦の進行状況を調べていたことが分かった。メーロ判事には差出人不明のEメールで「あなたの電話は盗聴され、カンポ・グランデで内容が公表されている」と知らせてきた。密告は判事の反応を試す虚偽密告であると判断された。
メンデス判事は剃刀作戦を審理し、被告らの反感をかった。それからマスコミは、同判事に対する中傷記事を掲載。同判事がワイロをもらって一部容疑者を釈放しているという。またメンデス判事は同名異人のメンデス某と混同され、収賄のブラック・リストに載せられた。
これは、連警のイヤガラセであることが明白である。連警が最高裁に無言の恫喝を行なっているのだ。連警内では悪の手先たちを培養している。自由を束縛するのは、警察国家の常套手段である。マフィアのヒエラルキーと変わらない。