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金融危機、伯産業界に波及=資金調達困難に=国際化戦略にもブレーキ=鉱山売却次々と座礁

2007年8月30日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】不動産ローンに端を発した金融危機がブラジル産業に波及したことを、鉱業など業界各社は二十八日、明らかにした。国際金融市場での資金調達が困難となり、海外投資は下火となった。そのため業界は資金繰りに支障を来たし始めた。また一方では、受注済み取引の見直しやキャンセルが相次いでいる。代表的例が、鉄鋼大手ジェルダウによる米製鉄会社Chaparralの買収である。同社は四二億ドルで交渉を進めていたが、米国での資金調達が困難となったため、国内に資金源を求めることになった。
 鉄鋼大手ジェルダウは、海外での資金調達で生産規模を拡大してきた企業である。今回は金融危機のために経済環境が一変した。ウオール街の米銀行は金融危機後、融資に対する保証を拡大した。ジェルダウは、買収の先延ばしと営業戦略の変更を余儀なくされた。
 米政府からジェルダウ米現地法人への補助金供与が、難しくなったのだ。同社は、ブラジルのJPモルガンとABNアムロ、HSBCから二七億ドル、残り一五億ドルを二〇行から調達することにした。保証は、ジェルダウ・ブラジル本社が行う。
 外国企業買収の攻勢は、ジェルダウのエピソードで見るように、ひとまず第一回戦を終えたようだ。ブラジル企業の国際化戦略にも、ブレーキがかかった。海外の安価な資金供給も、難しくなった。これからは国内銀行の方が資金供給は容易のようである。
 米国を始めとする外国銀行は、不良債権を大量に抱えたため、国内銀行のほうが経営内容は堅実といえそうだ。今回の金融危機の実体は解明されていないが、投資家がリスクに対して過敏になり、用心深くなったのは事実である。
 Oiグループのテレマールは、小口株主の株買いつけを資金調達が困難となったため中断した。この株買いつけのために一一四億レアルが必要だが、調達の目処はない。外国で融資窓口が一斉に閉められたからだ。九月六日の同社入札は再度延期となる見込み。
 外国でクレジットの提供は激減し、株の額面もつるべ落しである。テレマールの入札指値は四五レアルの予定だが、実勢価格は四一レアルを切っている。ここにも金融危機の波及が明白に表れている。
 ペトロブラスとブラスケン、ウルトラによるイピランガ石油の買収も、外国で調達したクレジットが高価になった。不利な買い物をしたため、サンパウロ市証券取引所に上場しても、売りに苦しむと予想される。
 ミナス・ジェライス州の鉱山買収で、問い合わせラッシュがピタッと止んだ。金融危機前に三つの大きな鉱山売却が進行中であった。その一つミネリッタは、一〇億ドルの受注直前に保留された。その他の売却交渉が次々座礁に乗り上げ、買い手の値切り交渉も激しくなった。
 サンパウロ市証券取引所は小康を経た十八日、また微震に見舞われた。株価指数は二・七%下がり、ドルは二・〇〇三レアルに付けた。リスクは二一一ポイント。一方、中銀の基本金利は、現行の一一・五%が年末に一〇・七五%とする予測が多い。

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