2007年9月1日付け
最年少優勝記録を全勝で達成――。第六十回の節目の年を迎えたブラジル将棋名人戦が八月二十六日、ブラジル将棋連盟(奥田定会長)会館で開催され、浅野大輔くん(一世、14)が同大会の最少年記録で初優勝を達成した。予選から本戦まで負け知らずでの快挙に浅野くんは「結果が大事ではなくて、一局一局を大切にしていく姿勢をつづけたい」と大会をふりかえった。
浅野くんは八歳から将棋をはじめ、昨年末に父親の転勤で来伯。プロへの登竜門である奨励会(日本将棋連盟、五級、東京)の所属で、現在は休会している。平日には日本人学校に通い、週末には連盟会館でコロニアのベテラン棋士らと腕を磨く日々だ。
名人戦決勝戦で浅野くんと対戦した高嶋ロベルトさん(二世、ベレン)は「いいところまでいっても最後にきっちりと攻められる」。また浅野くんとよく練習する吉田国夫さんは「彼は奨励会で基礎をしっかり訓練している分だけ戦術もうまい。隙がみつからない指し方をするよ」と称える。
今回の名人戦には全伯各地から八十六人が参加。パラ州ベレン市、M・ジェライス州のベロオリゾンテ市、パラナ州ロンドリーナ市、クリチーバ市などの遠方参加者も目立った。来年二月にクリチーバ市で開催される老中戦でも白熱した試合が展開されそうだ。大会結果は――
【名人戦】優勝・浅野大介(六段挌)、二位・高嶋ロベルト五段(ベレン)、三位・青木幹旺六段、四位・吉田国夫六段
【四段戦】優勝・野見山康則(クリチーバ、五段昇段)、二位・宮地修三、三位・中野秀敏
【三段戦】優勝・馬場康二(四段昇段)、二位・上村徳生、三位・猪木次男
【二段戦】優勝・山口栄一(三段昇段)、二位・岩田英一(リオ)、三位・穂園佐武郎
【初段戦】優勝・加茂靖、二位(二段昇段)・手代木敏長、三位・高原ジューリオ
【親睦戦A】優勝・中沢啓二(五段挌)、二位・吉川長門五段、三位・川野茂(四段)
【親睦戦B】優勝・久保勝明三段、二位・長尾富生三段、三位・高原清治