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準備進むマリンガ日本公園=加古川から造園師を招聘=体育館も早期着工めざす

2007年9月1日付け

 パラナ州における日本移民百周年の大型記念事業の一つ、マリンガ市の日本公園建設プロジェクトが着実にすすんでいる。約十万平米ある敷地のうち、同市の協力ですでに六割ほどを整地、目玉となる日本庭園の園路をこのほど定めた。体育館、管理事務所の建設も早期にはじめる予定で、来年六月二十二日の開園式(予定)までには完成させたい意向だ。八月二十九日、富居クリスチーナ・プロジェクト・マネージャーら担当者三人が来社し、明らかにした。
 マリンガの日本公園は同市南西にある約十万平米の土地に建設する。総建設予定費は約二千百万レアル。約五万平米ある日本庭園(池、茶室、東屋)に加えて、体育館や文化センター、記念塔などが建てられる。また、公園に隣接する三万平米の土地の寄付も受け、ここに植林を行う予定だ。
 公園の運営および維持管理のために公益民間団体(OSCIP)「ジャパン・パーク―移民百年記念祭」が組織されており、二年前から計画を推進している。
 富居マネージャーによれば、このほど同州マウア・ダ・セーハ市から日本庭園につかう三百トンの化粧石が寄付されたほか、レアル銀行(旧スダメリス)から二十五万レアルの資金援助をうけた。また、地元企業などから庭園に植える木の苗などの寄付も受けている。現在、日本庭園内の池や浮島を建設するための認可を待っている段階にあるという。
 今年初めからはJICAの造園専門家である川下愰さんを講師に、地元の主婦や学生、企業役員、市役所の職員など約五十人が、庭園完成後にそなえて剪定(せんてい)技術を学んでいる。
 さらに今年中には同市と姉妹都市提携を結ぶ兵庫県・加古川市から、四人の造園師を新たに派遣してもらう予定で、四人は川下さんと共に公園建設の指揮や指導にあたるという。
 日本庭園内につくられる茶室やレストラン、文化センターの建設資金は、ルアネー法を通じ地元企業の協力で調達する。文化センターの建設費は約千百万レアル。すでにこれらの設計図は完成しており、資金が工面できしだい着工する。
 約六千平米の同文化センターには、二千人収容の大講堂がつくられるほか、踊り、歌、民芸品教室、いけばな教室、折り紙、日本語教室などを目的としたイベントエリアなどが設けられる。
 また園内には日本とブラジルの地図が入った銅玉を掲げる記念塔、ブラジル南部柔道優秀センターとしてスポーツ省から認定を得ている総合体育館が建設される。同体育館の建設費は三百万レアルで、ほとんどをブラジル連邦政府が負担している。