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「疑惑は恥ずべきでない」=大統領、党の団結訴え=たとえ有罪でも仲間扱いを

2007年9月4日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】ルーラ大統領は一日、サンパウロ市で行われた労働者党(PT)全国大会で演説し、現在世間の注目となっている不正資金(メンサロン)疑惑でPTが矢面に立たされていることに対し、党としては何ら恥ずべきことはなく、一心同体でこの難局を乗り越えるべきだと、強い口調で檄を飛ばした。
 最高裁が同党を中心とする四十人の起訴を決定し審理に入ったことを受けてのもので、仲間が疑惑で告発されたら党が一体となって弁護するのは当然のことで、恥ではないと強調した。その上で、裁判でクロと断定された者はそれなりの償いをすべきだが、党はそれだからと言って疎外することなく、常に仲間として扱うべきだとの考えを示した。
 大統領の演説は約一時間にわたり、根底は党の一致団結を説いたもので、出席した党員からは、労組委員長時代の往年の「ルーラ節」を久々にほうふつさせたものだったと拍手が絶えなかった。
 不正資金疑惑では大統領は当初から「預かり知らぬ」との態度を貫いており、本人の問題だとしてきた。このため決着は司法に任せ、PT党内での疑惑批判や個人攻撃は避けるべきだと主張してきた。このため今回の演説は不満分子を抑えるために用意したものだった。
 このために大統領は党大会に出席する条件として、党大会でメンサロンを議題として取り上げないことを党執行部に要求した。その上で、自身の考えを主張して、党としてのメンサロンへの取り組み姿勢を統一した。
 大統領は演説の最後で、PTは野党として誕生した訳ではなく、政権を執るためのものであり、一枚岩にならなければならないとした上で、政敵は安全な水の中で泳がせてくれず、常に津波を仕掛ようとしているため、日頃の用心を怠ってはならないとの考えを強調した。