2007年9月4日付け
百周年記念協会の執行委員会が八月三十日に開かれ、翌三十一日、松尾治委員長と遠山景孝広報担当が会見した。松尾委員長の訪日について説明があったほか、移民百周年を迎える来年六月に、東京とサンパウロの地下鉄駅で日伯それぞれの記念展示を行う案が出ていることなどを発表。委員会ではまた、いわゆる「箱物四事業」の一つ、サンタ・クルス病院の老人福祉施設拡充プロジェクトをこれまでの主催から共催事業へ変更することも確認された。
地下鉄駅での展示は、〇五年のルーラ大統領訪日時に、東京都内の路線の一つで実施されたことがある。来年の展示について詳細は分かっていないが、サンパウロでは全駅、東京でも同様のものになる見込みだ。期間は六月の一カ月間を予定しているという。
これまで主催事業でありながら実質棚上げの状態にあったサンタ・クルス病院の拡張プロジェクト。今回の共催への変更は、もう一つの箱物事業であるアルモニア学園のプロジェクト同様、サンタ・クルス側が独自で資金調達の動きを進めていることから、協会側がより実情に即した対応をした結果のようだ。
松尾氏はこのほか、NHKインターナショナルからの申し出として、記念DVDの製作、映像祭の開催などが検討されていることも明らかにした。
新規プロジェクトに関しては、国際交流基金の事業など後に特例で認めるケースがあるとしながらも、原則として今月一杯で受付を締め切る考えを示した。近く関係者に通知を出す予定。今後は、他州も含めた百周年のパンフレット、記念事業を掲載した冊子の製作も検討されている。
会見ではこのほか、日本のフジワラ・エンジニアリング・カンパニーから約百万円の寄付を受けた件、日本側の記念式典が来年四月二十三日に東京で、同二十八日に神戸で行われることなどが発表された。
松尾氏は三日に訪日、二十四日までの日程で十四県を表敬訪問するほか、十二日に訪日するマルタ観光相に同行して関係機関・在日ブラジル人集住都市などを訪れる。日伯交流年の開始以前としては最後の機会になる可能性もある、このたびの訪日。成果が期待されるところだ。