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コラム 樹海

2007年9月4日付け

 先頃、麻薬密輸に関与の邦人2人に中国が死刑の判決を下し話題となった。日本では考えられないような重い刑罰だが、法制の違いもあって中国では死刑が多い。アムネスティによれば、2001年には3ヵ月間に1751人が処刑され、別の報告では毎年1万人近い死刑執行が行われている。2002年には、麻薬容疑で逮捕された25人のうち16人の死刑が決まり即日執行されたと日本のマスコミも報じている▼しかも―公開銃殺である。死刑囚は、処刑の前にトラックに乗せられ市民らの罵倒と糾弾を浴びるのが普通でTVでも放映される。それに―容疑者の裁判は1日で終り翌日には死刑の判決があって、その日に執行のケ―スが多いとされる。中国の死刑についての実態は不明なのだが、政府発表の公式数字よりも多く、世界一の死刑執行が世の常識なのだ▼フセイン大統領の死刑執行はTVで報じられ世界の茶の間に流れたが、首にロ―プを巻くシ―ンや処刑後の場面もあったそうだし、あれはいささか行き過ぎではないかの印象が強い。だが―中国においても、死刑は「見せしめ」の観念が強いし、イスラムの国でも同じなのではないか。最近は日本でも「死刑反対」の意見がかなり大きくなっているけれども、国民の多数は「死刑支持」▼反対論は冤罪の恐れや宗教的な立場からのものが多い。確かに容疑者を誤って死刑に処するのは許されない。けれども、今、世界の126ヵ国かで死刑制度が維持されており治安維持のために寄与し貢献している事実も忘れてはなるまい。中国ではないが、犯罪防止の観点も大事なのである。    (遯)