ニッケイ新聞 2007年9月6日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】今年度末で期限切れとなる暫定金融取引税(CPMF、別名小切手税)の有効期限延長に向けて政府は躍起となっている。
この延長は国会承認を巡り与野党間で攻防が繰り広げられている。政府としては先週国会に上程した来年度予算案の中で、同税の延長を見込んで三九〇億レアルの税収を織り込んだことから、何としてでも国会承認をとりつけることが至上命令となっている。
このために政府は、財務、保健、福祉、社会開発の四大臣を国会に送り込んで、同税審議委員会の議員説得に当っている。マンテガ財務省は、もし延長が否認されると、「国家にとり惨事だ」と位置付けた上で、貧困手当(ボルサ・ファミリア)をカットし、保健予算を削減した上で、国家経常収支の黒字維持もおぼつかなくなるだろうとの危機感を募らせている。さらに引いては国際間の信用失墜につながると表明している。
マリーニョ社会保障相もこれを受けてCPMFの一部が福祉に貢献しているとしてその重要性を説いた。テンポロン保健相は、一九九七年から二〇〇七年の間、CPMFは保健省予算の四〇%を占めており、CPMFが打ち切られることは保健活動を停止することになると警戒を発した。
アナニアス社会開発相は昨年度の貧困手当(ボルサ・ファミリア)は七六億四〇〇〇万レアルに達したが、このうち六〇億レアルはCPMF税収で賄われたものだと説明した。政府の背水の陣とも言える説得が功を奏するか注目される。