ニッケイ新聞 2007年9月6日付け
日本のブラジル人学校で教える教師陣を対象に、正式なブラジル教員資格を得られる大学レベルの通信教育が来年から始まる。
現在、約六百人いるブラジル人教師の大半は本国での教員資格を持っておらず、問題視されることの多いデカセギ子弟の教育水準を向上させるため、百周年を機に特別に資格を貸与することになった。これは百周年記念事業の一環で、三百人募集し、〇八年七月頃から実施に移される予定。
三日付けアジェンシア・エスタードによれば、マット・グロッソ連邦大学(UFMT)が実施主体となり、教育省とブラジル銀行が今後五年間で二百五十万レアルずつ支援し、合計五百万レアルを投入する。
この資金は、教材を日本の現実に合わせた内容に修正し、同連邦大学から四十五日ごとに訪日して集中講座を行う教員の派遣費用などに使われる。
受講期間は四年間。日本の東京、名古屋、群馬にある大学の教室を借りて授業を行う。インターネットを通しての遠隔授業のほかに、半年に三セミナーはブラジルから派遣された教師によって直接の授業が行われる。
この通信教育には、ブラジル人子弟向けに授業を行っている日本人教師も含まれ、生物、歴史、物理などを教える。
同連邦大学のパウロ・スペレール学長と教育省通信教育局のカルロス・エドゥアルド・ビエショウスキ局長が先月も訪日し、協議をつめてきた。「これは通信教育の先駆的事業となる」と同学長は意義を強調した。